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すり減っていったものを補っていく時間は、ある。

まともな日常

あれほど入り浸っていたTwitterにも出現するのは稀になってしまったほど、バイトやサークル(といってもひとつの特別授業みたいなものに所属しており、サークルらしいサークルには加入しないと決めているのですが)でなかなかリアルが充実している僕ですが、心に余裕がないわけではありません。さりげなくプロフィール欄に書いてある「芸術教養を高めたい」という目標にむけて、着々と邁進しております。特に4月は、いろいろな入学祝い金をいただいて経済的に余裕があったので、人生で一番充実した月になったんじゃないかな。いや、それはないか。SEKAI NO OWARIの映画ブルーレイディスク「TOKYO FANTASY」スペシャル・エディションで、ほとんど持っていかれましたんで。…でも、「お金がなかった時に買えなかった旧譜CDをドンドン買っていこう」企画はやっていますよ。これは、バイトを始めたら、どうしてもやってみたかったものなんです。僕は、まあ限定モノに弱いというか、通常盤を買うのに少しためらいが出てしまうほど初回盤を欲しがるために、どうしても旧譜より新譜を優先させてしまう傾向があるんですよね。…そしてまた、CDをレンタルしたり、中古で購入したりするのを、あまり好まないという。だから、買おう買おうと熱望してたCDも、ある時期を越えてしまったらもう一切興味が無くなってしまうんです。ヒイ。

 

 

そんな悪い癖を直そうと、トップバッターに選び購入したのは、いま各方面から大注目のバンド、KEYTALKの「OVERTONE」初回盤A。そうです、昨年の5月に発売されたのに、初回盤がまだ残っていたんです。レコード会社にとってはあまりよろしくないことかもしれないですが、僕みたいなユーザーにはなかなかありがたい(なかなか希少か)。衝動買いしました。この中に収録されている楽曲「MURASAKI」が、レトロな感じでどうしてもお気に入りでね。転調を多用するあたり、本当に計画的にメロディやアレンジがされている。他の曲を聴いても、頭がいいバンドだな、という印象は消えません。さすがメンバーに音大卒がいるな、と。それだけではありません、義勝さんのけだるそうな、力が抜けているような声が最高でね(巨匠の声もまあまあ好きなのですが)。最初はこのバンド、なんか毛嫌いしていたんですが、なんなんでしょう。時間が経てば、アルバム買っちゃうんですね。5月に出るニューアルバム「Hot!」初回盤も、早速欲しいものリストに追加です。初給料で買っちゃいたいと思います。

 

 

そして、もちろん芸術といっても、音楽、しかも最近の若手ロックバンドのものに限ることはできません。「名作」と呼ばれ、いにしえから伝承されてきた映画も鑑賞しています。映像系のことを勉強する大学ということもあって、多少の義務感にかられて見ているんですが、なかなか楽しいですよ。学内図書館の視聴覚室で、個室で、空きコマで、手軽に見れますし。早くも、2つ見ました。「時計じかけのオレンジ」と「スタンド・バイ・ミー」。どちらもなかなか刺激的で良かったのですが、特に良かったのは後者のほうかな。と言うのも、前者のほうは、興味がありすぎてネットで調べたりしていて、見る前からすでに概観を把握していたんです。単純に、あれほど奇妙でシリアスなストーリーがどう描かれているのかに興味があったので…だから、逆にこれといった感想が残ってくれなかったんですよね。比べ、「スタンド・バイ・ミー」は、タイトルとあの、あまりにも有名すぎる主題歌しか知りませんでしたし、原題が「ザ・死体」という無味乾燥なものであることも、見た後に初めて知りましたし。まだ見ていなくて、これから見ようと思っている方に、あらすじは少し省略しておきますが、最高ですよやっぱり。僕の後輩が「10代のうちに見ておいて良かった」とLINEのタイムラインに、鼻高々と自慢していたのもなんとなくわかりました。

 

 

まあ、一言でまとめさせていただくと、「仕事で摩耗する毎日を何気なしに送っている社会人が、ある時"あのバカ騒ぎしていた頃はよかったな"と一人ひっそり呑むための映画」という感じですかね。そこには、生々しいほど痛々しいほど「青春」が描かれています。ずっと都会で育ち、電車で私立の進学校に通っていたために地元の友達との交流はそれほど多くなく、その頃の思い出やらになんとなくコンプレックスを抱いている僕には、正直少し刺激が強すぎました。ここまでの冒険物語でなくても、中学校の帰りに河川敷で夕日を眺めながら寝っ転がったり、夏の夜に花火でバカ騒ぎしたりというのには、本当に憧れがあるんです。そして、そんな自分には、一回死なない限り、もうなれない。哀しくなりますね。…でも、だいたいそういう人っていうのは、自分の恵まれすぎた環境にただ気づいてないだけだったりするんですよ。少なくとも僕は、そう信じています。本当は前述したバカ騒ぎをなにげなしにしていたのかもしれない。それが当たり前すぎて、自分の思い出に深く刻まれていなかったために忘れてしまっただけかもしれない。もう一度、自分の青春とはなんだったのか、ということを考えるようになりました。奇しくも僕がこの映画を見て数日経ってから、お亡くなりになったというベン・E・キングの、あの表題曲が、やっぱりBGMです。