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"もう一度連れて行って、あの世界へ" (長文レポ)

10月8日。祝日を利用して、僕は、大好きなSEKAI NO OWARIのホールツアー「ENTERTAINMENT」(神奈川県民ホール)に行ってきた。4月にチケットを獲得した時から、密かにこの日が来るのをカウントダウンしていて、いつの間にかこれが生きるための原動力となっていたツアーは、なんてったって僕にとっては「初セカオワ」なのだ。そのワクワクドキドキ感が作用し、結構早めに会場に到着してしまい、グッズの物販に並んだ。グッズはTシャツからタオルまでバラエティに富んでいて、なかには「DJLOVEの貯金箱」「DJLOVEのハイソックス」なんてシュールなグッズもあった……まぁLOVEファン(少数派?)にはもってこいのグッズだ。僕は、悩んで悩んで、Tシャツ、タオル、パンフレット等を買い、一旦会場を後にした。

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17:00頃、再び会場に戻った。会場の前には、僕と同じように開場を待つファンがずらっといる。中にはテンションが上がって、みんなで集合写真を撮るファンたちも。彼らは、「1+1は〜?」「2−!!」のように「せかいの〜?」「おわりー!!」の掛け声でポーズをとっていた。セカオワの象徴、ともいえる「ピエロマスク」を手作りし、被っている人たち(複数人いるのだ)もそこにいるとなれば、何も知らない通りすがりの人たちから見れば、かなり異様な光景だったのかもしれない。……ちなみに余談だが、この「ピエロマスク」を被るファンの中にも、有名なファンの方(詳しく言えば、かなり昔からそのマスクでセカオワライブを見に行っている方)がいて、その人は「あー!○○さんだー!あの……、このマスク、触ってもいいですか〜?」と女子高生(ファン層の中心)に少しもてはやされてたりする。僕もいつか作ろうかな(笑)

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長い長い入場列に並び、会場に入る。席は11列の右寄り。最高のポジションだ。僕はいままでいろいろなコンサートに行ってきたが、ホールツアーにおいてここまで近くで見れるのははじめてかもしれない。それだけでもともと高かったテンションがさらにヒートアップし、開演時間はまだかまだかと腕時計を目を凝らして見ていた。「これが終わってしまったら、まだ辛い日常に引き戻されてしまう…」なんて寂しい気持ちも少し感じたが、開演前からそんなんでどうするんだ、精一杯楽しもうじゃないか、と気を取り直した。

------------------------ここから初心者ライブレポ(ネタバレあり)※かなり長文--------------------------

予定の時刻になると、会場は暗転。「illusion」(ストリングスver.)はフェードアウトし、ダンスミュージック風のBGMと同時にリズムよいメンバー紹介の映像が始まる。「とうとう始まる!」と待ちくたびれたファンたちを期待させる、ライブ独特の「マジックアワー」だ。モニターにメンバーの名前が映し出されるたびに、「ウォー!」「キャー!」といった歓声が湧いた。やはり、ボーカルの深瀬さんが女子の歓声が大きかったかもしれない(笑)…そして、1曲目、「スターライトパレード」SEが始まる。「Welcome to the “STARLIGHT PARADE”」今までのストレスを解消するためにも、飛び跳ねまくった。知らず知らずに、周りに迷惑をかけていたかもしれない、ごめんなさい。そして、2曲目は「虹色の戦争」。ワンマンツアー以外(フェス等)でもかなり盛り上がる、セカオワの代表曲であり、僕がセカオワを好きになった曲でもある。サビ前に「ハイハイハイ!」という掛け声も入って、会場の熱気は最高になっていった。大サビ部分はみんなで歌えるようにマイクを客席側に向けてくれた。歌い終わると、深瀬さん(Vo.)は「いいねぇ」と一言。この間に女子から「キャー!」。このくだり、Zepp Tourから定番だそう。3曲目は「天使と悪魔」。インディーズ時代の曲だが、一応、連ドラの主題歌になった。この時に知っていればな、と後悔している。ちなみに、ここまでは去年の秋に行われた、武道館公演のセットリストと一緒だ。この流れは定番になるのかな。

一旦ここで、DJLOVEによる「ご当地妖怪トーク」MCが入る。DJLOVEは大の水木しげるファンで、かなり妖怪に詳しいらしい。神奈川県のご当地妖怪として紹介されたのは、「後追い小僧」という妖怪。山中で子供(対象は4~5歳、時に15歳)が歩いていると、後ろから追ってくる。気配を感じて振り返ると……いや、振り返っても、岩場に隠れるだけで、何も危害を与えない優しい妖怪らしい。また、時には道案内のように、前を歩くこともあるらしい。ネーミングセンスが問われる。「まぁこんなファンタジックな妖怪がいることをみなさんに伝えたかったわけですよ!」「ん?」「まぁこんなファンタジックな妖怪がいることを…」「ん!?ファ、ファン…?」「まぁこんなファンタジーな妖怪が…」「ファンタジー!」(記憶が曖昧であまりよく覚えていない)、ということで4曲目「ファンタジー」(今思えば、このMCからこの曲へ繋ぐのはかなり強引だったと思う(笑))。これもアッパーな曲で、ライブ終盤に盛り上がるために投入するような先入観が僕にはあったため、このあとどんな曲をやるのだろう、とセットリストの想像力をかき立てる選曲だった(後で調べてみて分かったことだが、インディーズ時代はこの曲を1曲目としてやっていたらしい)。

「ファンタジー」が終わると、次は「不死鳥」。人類によって発明されたロボットが、ある男の子を好きになった時に、その男の子はいつか死ぬけれど自分は不死身なことに気づいてしまい、自分(ロボット)にも人類のような「死の魔法」(いずれ死んでしまうから、今を大切にすることができる魔法)をかけてほしい、といった悲しいラブソング(セカオワ初のラブソングでもある)。たしかTwitter内でずいぶん前に勝手に誰かが行っていた「セカオワで一番好きな曲は?」というアンケートで、見事1位を獲得していた、ファンの中で人気の高い曲だ。曲の前には、各著名人(ビートたけし甲本ヒロト等)が生死について残した名言が次々と映し出され、最後にこの曲の大事なフレーズ「死がくれる世にも美しい魔法 今を大切にすることができる魔法 神様私にも死の魔法かけて 永遠なんていらないから終わりがくれる今を愛したいの」がそこに加わるようにドンと登場という映像があった(武道館公演と同じ映像)。残念ながら、実際に歌う時は、喉の調子が悪かったのか、最後の「愛したいの」の超高音が出せていなかったけど、まぁこの曲が聴けて嬉しかったのでとりあえず満足。椅子に座りながら物語の読み聞かせをするような歌い方も斬新で、よかったし。

次の曲は、「世界平和」。通称"ブラックなセカオワ曲"に入る過激曲。武道館公演あたりから定番になっていた、客席各地にレーザーを激しく行き渡らせたり、そのレーザー光線を用いてモニターに「世界平和」という文字を映し出したりする演出は、生で見てもやっぱりかっこよかった。恥ずかしながら自分は、レーザー光線を使ったショウはこの曲が初めてだったので、曲、演奏、歌詞とともにこのようなレーザー演出にはとても鳥肌が立った。そして、次の曲も過激曲、「Love the warz」。ラップ調で歌われる歌詞ひとつひとつに、重みを感じる好戦歌。武道館で初披露されてからかなり話題を呼んでいつつも、シングルカットされなかったので、アルバム発売時には「いったいどんな曲を作ってしまったのだろうか」とドキドキワクワクしながら、試聴機の再生ボタンを押したのを覚えている。「虹色の戦争」を聴いた時の衝撃までは届かなかったが、歌詞の世界観に引き込まれ、感動してその日から大好きな曲になっていた。この曲は、(武道館公演でもそうだったが)かなり感情を込めて歌っていたように思える。メッセージソングだから、まぁ当たり前っちゃ当たり前なんだけれど。…前にDA PUMPの「if…」を歌ったときに「ラップ部分かっこうぃーね」と言われて調子に乗っちゃっている僕は、カラオケにてこの曲で再びラップを友達に披露してみたかったが、どうやらまだこの曲はカラオケには登録されていないそうだ。残念。いつか登録されることを願う。

そして、一旦ここで映像が入る。映像の内容は「SEKAI NO OWARIができるまで」だった。メンバーたちが学生に扮した、メンバーの勧誘再現VTRや、実際の貴重な映像(ClubEARTH製作映像や路上ライブ映像など)満載で、「深瀬さんはヤンキーだった」「セカオワはずいぶん昔はパンクバンドだった」…と、セカオワの歴史が理解できて、とても楽しめた。そのあと、メンバーが再び登場。映像でも登場した、学生服の衣装で、深瀬さんは金髪、なかじん(Gt.)はストレート(たぶんカツラ)になっていて、深瀬さんはダルそうに「ボーカルの深瀬。夜露死苦ぅ!(フ××クポーズ)」、藤崎さん(Pf.)は「学生の時はピアスの穴、耳に6つ開けてましたー」と驚きのカミングアウトと、学生風の自己紹介で観客を驚かせていた(個人的にはDJLOVEの学生服が好きだ)。そして「学生の気分に戻って歌いたいと思います」と選曲されたのは「炎の戦士」。なかじんが作詞・作曲・ボーカルを担当している曲である。この曲は、「アルバム発売告知の際には、まだ出来上がってなかった」らしいが、いざ蓋を開けてみると(アルバムを聞いてみると)、とても数週間で出来上がったとは思えない素晴らしいクオリティの曲だった。「さすが、なかじん」と唸らされる。

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ここから後半に突入する。後半の始まりは、武道館公演ではじめて登場した「OMC-1」というロボット(これも作ったらしい)によるMCだった(ロボットの声は山ちゃんこと山寺宏一さん)。ロボットが作成された経緯などをすらすらと話した後、「メンバーいちのしっかり者」と紹介されてなかじんにMCをバトンタッチする。なかじんは、横浜にある「アマゾンクラブ」というお店(Podcastラジオで有名)にメンバーたちで行ってきた時の話(観客との掛け合いもあった)や、深瀬さんがコスモワールドの観覧車を回すアルバイトをしていたという話、中華街をラーメンを探して歩き回った話をした後に、「TONIGHT」を歌い始めた。これもなかじんが作詞・作曲・ボーカルを担当する曲。武道館公演のためだけに作った曲だったが、それが結構な高評価を得て、アルバムに収録された。いつものような派手なシンセなどがない、アンプラグドスタイルなので、とても聴き心地がいい。曲の途中から、なかじん以外のメンバーが、普段は担当していない他の楽器を持ってきて(深瀬さんはタンバリンと鉄琴、藤崎さんはピアニカ、DJLOVEはリズムボックス)演奏するのは、武道館公演から定番だが、その演出はこの曲の歌詞にも似合っていて、何度見ても心が和む。

「TONIGHT」が終わったあとは、藤崎さんのMC。このMCでは、自身が神奈川県の音大(洗足学園音楽大学)に通っていた時にしていたピアノの先生のバイトのエピソードを"藤崎画伯"のイラストを用いながら面白おかしく説明していた。(失礼かもしれませんが)画伯のイラストが下手過ぎて会場は爆笑だった。その爆笑MCのあとに演奏されたのは、「yume」。これもライブで盛り上がる曲で、藤崎さんのピアノソロもかっこよくて、会場は手拍子とともに序盤の熱気を取り戻した。そして、次に演奏されたのは「花鳥風月」だった。「この熱気を続けて再びアッパーな曲がくるか」と心の中でしていた予想は、いとも簡単に裏切られた。(まぁ、それは置いておいて、)実は、この曲は僕がセカオワメロディーの中で、一番くらいに好きな曲なのである。ピアノでサビのメロディを弾くだけで、落ち着ける、自分にとっては精神安定剤のような、本当に綺麗な旋律に文学的な歌詞(読書好きの藤崎さんが作詞担当)が見事にマッチしている。照明も綺麗だ。

次に演奏されたのは、「Never Ending World」。震災が起こったあとに、それを意識して作られた曲。曲の前には、一旦ステージの垂れ幕が降りて、そこに巨大プロジェクターで、震災直後に世の中(ネット上)に横たわった多くのキーワード(例えば、「正義」「東電が悪い」「不謹慎」「自粛」「死んで詫びろ」「ひとつになろう日本」「売名行為」など)がどんどんと映し出され、そのキーワード同士が矛盾していることに気づかせられた。その後の、ピアノの重い旋律、重い歌詞だから、震災のことを思い出しながら、気がつけばこのライブ一番の感動をしていた。そんな悲しい演出はすぐに切り替えられ、「生物学的幻想曲」がはじまった。永遠の生命のサイクルをダンスミュージック調に歌い狂うこの曲は、垂れ幕を使った影絵演出とプロジェクター映像が見事に融合していた。次に続く「illusion」も同じ手法を用いていて、感情的にという意味ではなく、純粋に言葉で表せない演出に「セカオワはこんなこともできるのか」と圧倒された。

ここで、深瀬さんのMCが入る。横浜での思い出。「なかじんに全て話されちゃったからな」と少しネタ切れ気味だったが、アーティスト写真を撮ったことや、デートをしたこともある、という貴重なエピソードが聞けた(深瀬さん彼女疑惑なんて噂もあったが、僕にとってはどうでもいいので、特に触れない)。そのあと、「もう終盤ですが、ついてきてください!盛り上がりましょう!」と演奏されたのが「眠り姫」。サビあたりからステージ両脇に設置されたシャボン玉製造機械が活躍して、とても綺麗だった(前の方の人はシャボン玉が目に入りそうで大変そうだったけど)。ほんとにセカオワはシャボン玉が似合うバンドだなぁ。

次に演奏されたのは、セカオワの原点「幻の命」。「ROCK IN'ON JAPAN」にも書いてあったけど、やはりこの曲だけは独特の重み、というか悲しみを感じる。他の曲を一歩も寄せ付けていない。この曲を演奏している時だけは、何とも言えない厳粛な空気が会場内を漂っていた(いい意味で)。一音一音、一語一語がゆっくり体に沁みていくのが分かった。最後を締めくくる曲は、「深い森」。アルバム「ENTERTAINMENT」最後の曲でもある。1stアルバム「EARTH」より確実にテクニックがあがっている一曲だったので、一番ライブで演奏されるのを期待していた。セカオワは見事にその期待に応えてくれ、圧巻のギターソロを披露されたときは、感動した。また、あまり深く考えてこなかった英語の歌詞も、モニターに和訳が映し出されることで、歌詞の重みが分かって、胸が締め付けられる思いをした。曲の最後には、スモークがステージ上にどんどん噴出されていって、最終的にはまるで「深い森」に迷い込んだかのように、メンバーたちがそのスモークの中に消える、という歌詞の内容に沿った面白い演出も用意されていた。鳥肌モノだった。

会場全体で「スターライトパレード」のサビ部分を歌いながらアンコールを待っている(恒例らしい)と、再びメンバーが現れた。「アンコールありがとう!アンコールは2曲やります」と歌いだしたのは、「Fight Music」。聞くと思わず元気が出るロックナンバーだ。深瀬さんが「酒でも飲んで全て忘れちまうかー」部分で放たれる、シャンパン型の大型クラッカーや、DJLOVEが「くらえ会心の一撃イエーイ!」部分で打つ銀テープが詰まったバズーカ砲など楽しい演出もあって会場は大盛り上がり。そしてそこに投入される、本当の最後の曲、「インスタントラジオ」。もうすっかりお馴染みになったDJLOVEのDJパフォーマンスは生で見ると迫力が違ったし、大サビの「30 minutes instant radioー!」にはやっぱり、体験してみないと分からないものがあった。僕は今までのストレス等をこの「インスタントラジオ」にぶちまけ、きちんとライブを消化し終えた。エンディングには、観客からの僅かなハッピーバースディコールと、「青い太陽」(テクノ風アレンジ)がBGMのスタッフロールが流れ、ENTERTAINMENTはその楽しい世界を演出し終えた。

【セットリスト】  0.illusion(ストリングスver.) 1.スターライトパレード 2.虹色の戦争 3.天使と悪魔 4.ファンタジー 5.不死鳥 6.世界平和 7.Love the warz 8.炎の戦士 9.TONIGHT 10.yume 11.花鳥風月 12.Never Ending World 13.生物学的幻想曲 14.illusion 15.眠り姫 16.幻の命 17.深い森 18.Fight Music 19.インスタントラジオ

全体的にみて……「ENTERTAINMENT」というツアータイトル通りの内容を見せてくれた。セカオワのファンタジックな曲と演出が、ホールという小さな会場でもマッチしていたことに感動した。まるでディズニーランドのような世界観を重視する遊園地に来たみたいな。「ENTERTAINMENT」とはこういうものだ、と僕の中で定義づけをされたショウだった。

------------------------ここまで初心者ライブレポ(ネタバレあり)※長文でした--------------------------

と、ここまで書いてきて、読み返してみた。なんと読みにくい文だろうか。魅力を伝えるほどのボキャブラリーの欠損がひどいし、文法的に思い切り間違っている箇所もちらほら見える(文章能力が足りない奴がレビューなんか書こうとするからだ)。音楽雑誌の読み過ぎのロキノン厨がレビュワーになりきったつもりで勢いで書いた、単なる自己満足文章……にもなっていない。自分はこんな文章を目にしたら反吐が出る。……まぁ、とりあえず一文一文の技術などは気にしないことにする(キリがないから諦める)。これは、ライブ直後の感想などをただただ残しておく「記録」にすぎないのだから。この文章が言いたいのは、「セカオワのライブ、すごくよかった、また行きたい」ということだけ。さぁ、2月の代々木公演が楽しみだ。